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建物規模最大化だけではない“かしこい選択肢”「価値」を引き出す新築・建て替え検討術【第2回】

情報誌レッツプラザ2023年Summer号より引用

前回は、建物経営においては建物規模を最大にして収益を上げるだけでなく、利回りや手残り金額、自身のライフスタイルや周辺環境への影響、さらに相続対策や引き継ぐ方の気持ちなどの観点から総合的に検討したうえで建物の規模を考えることが大切であるとご紹介しました。では、建物規模最大化以外の有効な活用法にはどのようなものがあるのでしょうか。今回は、土地の「価値」を引き出すとともに、自身の考え方や希望に合わせた5つの活用法をご紹介します。

Case02 ロードサイドで視認性のよい土地

店舗物件など住宅以外も視野に入れる

次は、駅前や大通り沿いにある視認性のよい土地の有効活用について見ていきましょう。
こうした土地の場合は、住宅や事務所用途以外に、店舗用途の賃貸物件を建てるという選択肢もあります。店舗はテナントニーズから低層の建物になることが多く、建物規模・収益は小さくなります。しかし、建築コストに着目すると、住宅は内装や水道、ガスの各住戸への引き込みが必要ですが、店舗物件は壁紙やカーペットなどの内装を施さず、躯体が剥き出しの状態で貸す、いわゆるスケルトン引き渡しにすることで工事費用が軽減できるメリットがあります。

賃料については、エリアによって用途ごとの評価は異なりますが、ロードサイドの土地では、店舗は坪あたりの賃料単価が高く評価される傾向があるため、店舗の建築は費用対効果が高い投資と言えます。店舗には住宅のような固定資産税の軽減措置がないため、そのぶんの負担は重くなりますが、建物の管理は入居したテナントが行うことが一般的なため、管理の手間も少なく済みます。

こうしたことから、ロードサイドで視認性がよいなど店舗の需要が見込める土地の場合は、住宅や事務所で容積を最大化することにこだわらず、投資額を抑えて店舗物件を建築するのも選択肢となります。

エリアの特性を見極めることが重要

B様は、郊外の国道に面した近隣商業地域に位置し、現在は駐車場として利用している土地の有効活用を考えレッツに相談されました。面積500㎡、建ぺい率80%、容積率300%と5階建ても建築できる土地で、周囲には店舗や住宅が建ち並び、店舗と住宅どちらの賃貸需要も見込めます。

こうしたさまざまな条件を勘案した結果、レッツでは1階店舗・2~5階住戸のプランと、1~2階店舗のプランの2つを提案しました。2つのプランの収支をまとめたのが図表4です。5階建ての店舗兼住宅が鉄筋コンクリート造なのに対し、2階建て店舗は鉄骨造のため建築費がかなり抑えられます。

こうしたことから総事業費は5階建てが約6億8,900万円、2階建ては約2億3,900万円となっています。ローンは5階建てでは35年返済、2階建ては25年返済を想定し、返済後の手残りは5階建てが約1,300万円、2階建てでは約1,210万円と大きな差はありません。

表面利回りは2階建てが13%で、5階建てを大きく上回っています。子どもたちに負担をかけないよう極力投資を抑えたいとお考えのB様は、2階建て店舗のプランを選択し、現在安定した賃貸経営を実現しています。

ただし、このように見ると店舗のみの2階建てがどんなエリアでも常に優位と思えますが、一方で店舗には撤退リスクがあり、エリアによっては店舗よりも住宅のほうが空室リスクが低い場合もあるため、エリアの特性を見極めることが重要です。契約時には、契約期間や退去時の違約金など契約条件にも注意しましょう。

また、土地のほかに多額の金融資産を保有している場合は、相続税対策として建築投資(建物への組み換え)を行って財産を圧縮することも考えられます。こうしたケースでは、投資額の大きい5階建てのプランを選択したほうが効果的な場合もあります。土地の特性や自身の考え、相続対策などさまざまな観点から検討したうえで選択するのがよいでしょう。

なお、店舗区画をつくる場合は、テナントが入れ替わることを想定し、汎用性の高いプランにすることが重要です。最初の入居テナントのリクエストのままつくると、他のテナントにとって使いづらく、リーシングに影響する場合もあるので注意しましょう。

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