基礎知識

相続税の課税価格とは?計算方法・非課税財産・基礎控除をわかりやすく解説

相続税の課税価格とは、遺産総額にみなし相続財産を加え、非課税財産・債務・葬式費用を差し引いて求める金額です。計算式の詳細、非課税財産の一覧、基礎控除との関係まで不動産オーナーが知るべき知識を解説します。

相続税の課税価格の計算方法|計算式と各項目の解説 

相続税額の計算にあたっては、まず、以下の式により課税価格を求めることになります。

課税価格=遺産の総額+みなし相続財産-非課税財産+相続時精算課税に係る贈与財産-債務・葬式費用+被相続人からの贈与財産

遺産の総額には、現金、預貯金、有価証券、宝石、土地、建物、貸付金、特許権、著作権など金銭に見積もることができる経済的価値のあるすべてのものが含まれます。

このとき、不動産や株式など現金以外の財産は、それぞれ定められた評価方法で価額を計算します。

不動産・株式の相続税評価額の計算方法

例えば、土地の価額(相続税評価額)は、都市部の場合には相続税路線価に土地の面積を掛け、形状や位置に応じた調整をすることによって求めます。路線価が定められていない地域については、その土地の固定資産税評価額に一定の倍率を掛けて計算します。

また、貸地は自用地の評価額に地域ごとに決められた借地権割合を控除した底地割合を掛けて求めます。なお、相続した宅地が、被相続人または生計を一にしていた親族の居住用や事業用に供していた場合には、一定面積までの部分は、通常の評価額から一定割合を減額する特例(小規模宅地等の特例)があります。

建物の価額は、固定資産税評価額と同じです。

みなし相続財産とは、被相続人の死亡による生命保険金や死亡退職金等です。

不動産(賃貸マンション・月極駐車場)と金融資産が課税対象となり、相続税試算から対策を講じた事例です。
▶ 実例を見る:相続税の試算から納税対策まで

都内自宅と月極駐車場の相続税評価額が高く、等価交換を選択した事例もあります。
▶ 実例を見る:等価交換で自宅の老朽化問題と、子供たちへの分割対策を同時に解決!

相続税の非課税財産一覧|対象外となる財産の種類

非課税財産の主なものは次の通りです。

  • 墓所、仏壇、祭具など
  • 宗教、慈善事業、学術その他公益を目的とする事業に供するもの
  • 心身障害者共済制度にもとづく給付金
  • 生命保険金等については、法定相続人1人当たり500万円(このときの法定相続人の数は、相続の放棄をした人がいても、その放棄がなかったものとした場合の相続人の数になります)
  • 退職手当金については、法定相続人1人当たり500万円(上記に同じ)
  • 相続税の申告期限までに国などに寄付した財産

相続時精算課税の場合

相続時精算課税を選択して生前贈与を受けていた場合は、それまでの贈与財産も相続財産に合算することになります。このときに相続財産と合算する贈与財産の価額は、贈与時の評価額となります。

債務や葬式費用など、以下のものは課税価格から差し引くことができます。

  • 一般債務
  • 公租公課
  • 葬式に関して相続人が負担した費用(香典返し・墓所購入費等・初七日や法事のためにかかった費用は含みません)

最後に、被相続人が亡くなる3年以内に被相続人から相続人に贈与された贈与財産を足して、各人の課税価格を求めます。

課税価格から相続税額を算出するステップ|基礎控除と計算具体例

課税価格が求められたら、各相続人の課税価格を合計後、遺産に係る基礎控除額を差し引き、課税遺産総額を算出します。課税価格の合計額が基礎控除額を超える場合は、原則として相続税の申告が必要です。

基礎控除額は、次の算式で計算します。

基礎控除額 = 3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)

例えば、法定相続人が配偶者・子ども2人の計3人の場合、基礎控除額は 「3,000万円+600万円×3=4,800万円 」となります。課税価格の合計が4,800万円以下であれば、相続税はかからず申告も必要ありません。

課税価格の合計が1億円、基礎控除額が4,800万円であれば、課税遺産総額は 1億円-4,800万円=5,200万円 となり、この金額をもとに各相続人の税額が計算されます。

不動産を多く保有している場合、土地・建物の相続税評価額の算定方法や、小規模宅地等の特例の適用可否が相続税額に影響することがあります。同特例の適用要件を満たす場合には、一定の宅地について相続税の課税価格に算入する価額が減額される余地があります。相続税対策は、相続発生前の早い段階から取り組むことで選択肢が広がります。

【参考】
●相続税計算方法の大きな流れを理解する
https://lets.mitsuifudosan.co.jp/column/chishiki/chishiki20

●相続税路線価とは?
https://lets.mitsuifudosan.co.jp/column/chishiki/chishiki12

●知っておきたい、7つの「相続税の税額控除」
https://lets.mitsuifudosan.co.jp/column/chishiki/chishiki22

※本記事は2012年2月に掲載された内容をもとに、2026年時点の法令等を反映しています。制度や取扱いは変更されることがあります。

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