不動産から生み出される収益に着目した不動産の価格を求める鑑定評価の手法です。
対象不動産が将来生み出すであろうと期待される純収益の現在価値の総和を求めることにより不動産の価格を求めます。
この手法は、賃貸用不動産の価格を求める場合などには特に有効です。
収益還元法には、直接還元法とDCF法があります。
直接還元法は、一期間の純収益を求め、この純収益に対応した還元利回りによって純収益を還元することにより不動産の価格を求める方法です。
計算式にすると、(総収益-総費用)÷還元利回り となります。
DCF法は、連続する複数の期間に発生する純収益及び復帰価格を、その発生時期に応じて現在価値に割り引き、それぞれを合計する方法です。なお、復帰価格とは、分析期間の満了時点における不動産の価格です。
DCF法は、毎期の予測された純収益や復帰価格を明示することから、直接還元法よりも説明性に優れていると言われています。しかし、計算で用いる各数値の設定如何によって結果が大きく変動してしまうので、利用にあたっては注意が必要です。
【参考】
●取引事例比較法とは?
https://lets.mitsuifudosan.co.jp/column/chishiki/chishiki17
●不動産の鑑定評価とは?
https://lets.mitsuifudosan.co.jp/column/chishiki/chishiki16
※本記事は2010年1月に掲載されたもので、その時点の法令等に則って書かれています。