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大切な資産を“増やして”次世代につなぐために……「目的」から見つける不動産投資の最適解【第1回】

情報誌レッツプラザ2024年Spring号より引用

近年、個人投資家の投資意欲が高まっていると多くのメディアが報じています。投資はリスクも伴いますが、物価が上昇傾向にある中、従来の超低金利の銀行預金等では資産が目減りしていくのと同義と言えるため、資産を守るためにも積極的に投資を行う必要があると考える方が多いのでしょう。そこで、今回は投資法の1つである「不動産投資」の有効性を改めて考えるとともに、自分に適した収益不動産を見つける方法についてご説明します。

株式投資と比較したときの6つのメリット

不動産投資は、一般的に「ミドルリスク・ミドルリターン」に分類される投資方法です。

不動産投資は長期的な運用によりある程度安定的に収益を得られる可能性が高い投資手法と言われており、古くから資産運用の有効な手段の1つとして考えられてきました。著名な例で言えば、英国王室は不動産投資の収益で公費を賄っています。

なぜ不動産投資が注目を集めるのか――。不動産投資の特徴を理解するため、株式投資と比較しながら見てみましょう。

❶毎月安定的な収入(インカムゲイン)を得ることができる

これこそが不動産投資の最大の特徴と言えるでしょう。インカムゲインが、一般的に年1~2回の配当である株式投資と異なり、不動産投資は入居者がいる限り、毎月安定的な賃料を得ることができます。

また、株式は企業の業績や経営判断により配当が増減するため収益の見通しが立ちにくいのに比べ、不動産投資は収益予測がしやすい点もメリットです。もちろん空室期間は賃料収入がありませんが、例えば賃貸住宅であれば空室保証付きの賃貸管理会社に委託する、事業用不動産であれば長期契約を結ぶなど契約形態の工夫により、ある程度のリスクヘッジが可能です。

❷オーナー自らの工夫で収益性向上を目指すことができる

株式投資において個人投資家が企業の経営改善に直接関与したり、配当を増やすように働きかけることは困難ですが、不動産投資ではオーナー自らの工夫により経営改善を目指すことが可能です。

例えば、賃貸住宅であれば賃料を上げるためにセキュリティを強化する、植栽や外構などを工夫し高級感を持たせる、リノベーションを施すなどが考えられます。自らの手で入居率改善や収益性向上を実現できるのは、事業上のメリットであることはもちろん、楽しみややりがいにもなるのではないでしょうか。

❸インフレリスクに強い

現在、世界中でインフレが進行し、日本でも食料品を中心に商品価格が値上がりするなどインフレの様相を呈しています。インフレ時には現金の価値が目減りしますが、不動産は現物資産であるため資産価値の短期的な変動が少ない傾向があります。

さらに、インフレによって賃料収入が増える可能性があるのも特徴です。株式の場合、インフレに強い企業は株価が上昇する可能性がありますが、一方で投資先企業の業績悪化や経営破綻などにより資産価値が毀損することもあるため、ハイリスク・ハイリターンと言えるでしょう。

❹借入金を用いることにより、自己資金以上の投資することができる(レバレッジ)

不動産投資は、不動産そのものに担保価値があり、また中長期の安定的な事業であることから株式投資よりも金融機関の融資を受けやすいという特徴があります。借入金を活用することで自己資金のみでは購入できない収益不動産を運用し、より大きな収益を得ることが可能です。

❺税メリットを享受できる

不動産投資を行うと、減価償却費や借入金の利子を経費として計上できます。また、現預金や株式はその額が100%相続税評価額となりますが、土地の相続税評価額は公示価格の80%程度、建物は一般的に建築費の50~60%と言われています。建物を賃貸している場合は、土地・建物ともにさらに評価額が下がるため、相続対策としても有効です。

❻事情に合わせて自分や家族が利用することも可能

不動産投資では、基本的には現物資産を保有することになるため、賃貸をしていない期間は自身が利用することが可能です。例えば区分所有マンションを購入した後しばらくは賃貸として活用し、子どもが大学に入学したら子どもの住居にするなど、オーナーの事情に合わせた柔軟な使い方ができることも不動産投資の利点と言えるでしょう。

不動産投資の3つのデメリットと対応策

このように不動産投資には株式投資とは異なる多くのメリットがありますが、デメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

❶売却に時間がかかり現金化しにくい

上場株式は証券取引所が開いている時間帯ならばいつでも売却可能ですが、不動産の売却には一定の時間がかかるため、余裕を持った計画を立てることが重要となります。

❷建物の維持管理などに手間と費用がかかる

現物資産である不動産は維持管理に加え、入居者募集や賃料滞納が発生した際の対応などが必要です。不動産投資は長期間にわたる事業ですので、負担が大きいと感じたら無理をせず、専門業者に委託することを考えましょう。また、不動産を購入する際は維持管理等にかかる費用も考慮したうえで投資の判断をしましょう。

❸地震など自然災害により破損するリスクがある

不動産投資を行う場合、地震のリスクは気になるところです。①地盤の強いエリアの物件を選ぶ、②新耐震基準に則った物件を選ぶ、③異なるエリアの物件に分散投資するなどの対策によりリスク低減を図ることが重要です。

多くの人が生活者目線で成功を目指すことができる

不動産投資についてメリット・デメリットの両面から見てきましたが、最後に不動産投資ならではの特色をご紹介しましょう。それは、「不動産投資は、オーナーが生活者目線で工夫を行うことで事業の成功を目指せる投資法である」ということです。

住宅を例にとると、私たちの多くは賃貸マンションなどで暮らした経験を持ち、その際にさまざまな物件を評価してきたと思います。つまり、多くの方が生活者として収益不動産の良し悪しを見極める目をすでに持っているということです。

そうした生活者や借家人としての目線を大切に、ご自身やご家族が住みたいと思える物件づくりを心掛けることで、やりがいや楽しみ、そして大きな成果を目指すことができる――。それが不動産投資の特色であり醍醐味であると言えるのではないでしょうか。

◆     ◆     ◆

次回は、不動産投資を始める前にやるべきこととポイントについてご紹介します。お楽しみに!


(第2回に続く)

東京生まれ。立教大学経済学部経済学科卒。大手デベロッパーにてビル・マンション企画開発事業、都市開発事業に携わり、1996年に独立。顧客(法人・個人)の立場で不動産と不動産投資に関するコンサルティング、投資顧問業務を行う。自身も現役の不動産オーナーかつ投資家として、評論家ではなく現場と実践にこだわり続ける。また、メディアへの出演や講演活動を通じて、投資や不動産、経営戦略などについてわかりやすく解説している。『不動産2.0』(イースト・プレス)、『家を買いたくなったら』『はじめての不動産投資』(WAVE出版)、『厳しい時代を生き抜くための逆張り的投資術』(廣済堂出版)など著書多数。

長谷川不動産経済社 代表

長谷川高 氏

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