土地や建物などの不動産の経済価値を判定し、その結果を貨幣額で表示することです。
不動産の鑑定評価による価格には、正常価格、限定価格、特定価格、特殊価格があります。
正常価格とは、「市場性を有する不動産について、現実の社会経済情勢の下で合理的と考えられる条件を満たす市場で形成されるであろう市場価値を表示する適正な価格」を言います。したがって、鑑定評価では、通常は、正常価格を求めることになります。
ただし、鑑定評価額は、あくまでも不動産鑑定士が不動産鑑定評価基準に則って判定する意見であり、その判定にあたっては、一般的要因の分析、地域分析、個別分析など、幾つもの判断を行います。そのため、鑑定評価の各過程において発生する評価の差異によって、評価額は異なるものとなります。つまり、不動産の鑑定評価額は、不動産鑑定士であれば誰が評価をしても同じ金額になるわけではなく、鑑定評価を行う不動産鑑定士によって異なる結果となるものなのです。
なお、隣地を取得する場合などのように、市場が相対的に限定される場合には、限定価格となることもあります。
また、特定価格は不動産の証券化等で投資採算価値を求める場合等、特殊価格は文化財等の不動産の経済価値を適正に表示する価格です。
【参考】
●収益還元法と二つの算出方法
https://lets.mitsuifudosan.co.jp/column/chishiki/chishiki18
●取引事例比較法とは?
https://lets.mitsuifudosan.co.jp/column/chishiki/chishiki17
※本記事は2010年1月に掲載されたもので、その時点の法令等に則って書かれています。