基礎知識

都市計画における「用途地域」とは?

都市計画における「用途地域」とは?

用途地域は、都市計画の一環として建物の用途・容積・形態等に関して制限を定める地域のことで、居住環境を保護し、また事業の利便性を増進するための重要な規制です。

 国は都市の健全で秩序ある都市の発展を目的に「都市計画法」が定め、この法律に基づいて各都道府県知事が「都市計画」を立案、運用しますが、その中で都市計画区域とされる地域を景観保護や防火対策などの目的に応じて21地域に分割、その21地域の中の1つに「用途地域」があります。

 用途地域は、その地域における建物の用途・建ぺい率・容積率・高さ制限などについて制限を定め、住居系、商業系、工業系に大別される中に、全部で以下の13種類があります。

住居系地域 第一種低層住居専用地域
第二種低層住居専用地域
第一種中高層住居専用地域
第二種中高層住居専用地域
第一種住居地域
第二種住居地域
田園住居地域
準住居地域
商業系地域 近隣商業地域
商業地域
工業系地域 準工業地域
工業地域
工業専用地域

 

 第一種低層住居専用地域は、良好な住居の環境を保護するために定める地域なので、北側斜線制限や絶対高さ制限など、13種類の地域のなかで最も厳しい規制がかけられています。
 一方、近隣商業地域や準工業地域など、商業系地域や工業系地域には、このような厳しい規制はありません。
 なお、13種類の用途地域のなかで、住宅が建築できない地域は、工業専用地域だけです。

【参考】
●建築物の「容積率」とは?
https://lets.mitsuifudosan.co.jp/column/chishiki/chishiki10

●土地購入や建築の際に、知っておくべき「建ぺい率」とは?
https://lets.mitsuifudosan.co.jp/column/chishiki/chishiki09

※本記事は2010年1月に掲載されたものですが、2022年7月時点の法令等を確認し、変更があった場合は反映した内容を掲載しています。

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