資産承継

筆界特定制度について(4)

筆界特定制度について(4)

筆界特定制度に関するQ&Aを載せておきますので、参考にして下さい。

「対象土地」とは何ですか?

対象土地とは、筆界特定の対象となる筆界で相互に隣接する一筆の土地及び他の土地を言います。

「関係土地」とは何ですか?

関係土地とは、対象土地以外の土地(表題登記がない土地を含む)であって、筆界特定の対象となる筆界上の点を含む他の筆界で対象土地の一方または双方と接するものを言います。

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「関係人」とは誰のことですか?

関係人とは、対象土地の所有権登記名義人等であって筆界特定の申請人以外のもの、及び関係土地の所有権登記名義人等を言います。

「筆界調査委員」とはどんなことをする委員ですか?

筆界調査委員は、筆界特定について必要な事実の調査を行い、筆界特定登記官に意見を提出します。

「筆界調査委員」はどんな人がなるのですか?

筆界調査委員は、筆界特定について必要な専門的知識及び経験を有する者のうちから、法務局または地方法務局の長が任命します。不動産登記法は、弁護士、司法書士、土地家屋調査士が任命されることを予定していますが、実際は土地家屋調査士が中心になると思います。

誰が筆界を特定するのですか?

筆界特定は、筆界特定登記官(登記官のうちから、法務局又は地方法務局の長が指定する者をいう)が行います。

筆界特定の申請ができる人は誰ですか?

土地の所有権登記名義人等です。所有権登記名義人等とは、
(1)所有権の登記がある一筆の土地については所有権の登記名義人です。
(2)所有権の登記がない一筆の土地については表題部所有者です。
(3)表題登記がない土地については所有者です。
(4)(1)及び(2)については相続人、その他の一般承継人も含まれます。

筆界特定の手続について、代理することができる人(資格者代理人)は誰ですか?

筆界特定の手続の申請代理業務を業としてできる資格者は、土地家屋調査士、弁護士、簡易訴訟手続の代理業務を行うことができる司法書士です。

一筆の土地の一部の所有権を取得した人は、筆界特定の申請をすることができますか?
(例:筆界が確認できないために、分筆登記ができない。よって所有権の移転登記ができない場合)

一筆の土地の一部の所有権を取得した人から申請することができます。

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土地の共有登記名義人等のうちの一人から、単独で筆界特定の申請をすることができますか?

共有者の一人から単独で申請することができます。この場合、申請人以外の共有者は関係人となります。

民有地と国有財産との境界について、国有財産法に基づく官民境界確定協議が成立した後に、民有地の所有権登記名義人等から筆界特定の申請をすることができますか?

国有財産法に基づく官民境界確定協議は、国と私人間の所有権の及ぶ範囲を確定したものなので、官民境界確定協議が成立していたとしても、筆界特定を申請することができます。

民有地と民有地の境界について、民民境界確定協議が成立した後に、筆界特定の申請をすることができますか?

隣接地所有者間で協議(合意)した境界は、所有権の及ぶ範囲を確定したものなので、民民境界確定協議が成立していたとしても、筆界特定を申請することができます。

筆界特定が却下されるのは、どんな場合ですか?

以下のようなときです。
(1)対象土地の所在地が当該申請を受けた法務局又は地方法務局の管轄に属しないとき。
(2)申請の権限を有しない者の申請によるとき。
(3)筆界特定の申請に必要な事項が明らかにされないとき。
(4)筆界特定申請情報の提供の方法がこの法律に基づく命令の規定により定められた方式(書面申請・オンライン申請)に適合しないとき。
(5)申請が対象土地の所有権の境界の特定その他筆界特定以外の事項を目的とするものと認められるとき。
(6)対象土地の筆界について、既に民事訴訟の手続により筆界の確定を求める訴えに係る判決(訴えを不適法として却下したものを除く)が確定しているとき。
(7)対象土地の筆界について、既に筆界特定登記官による筆界特定がされているとき。ただし、対象土地について更に筆界特定をする特段の必要があると認められる場合を除く。
(8)手数料を納付しないとき。
(9)筆界特定の申請人に手続費用の予納を命じた場合においてその予納がないとき。

筆界特定申請後、調査の過程で対象土地が隣接していないことが判明した場合はどういう取り扱いになりますか?

対象土地が隣接しないときは、申請は却下されます(理由:上記Q13-A(2)による)。

いわゆる地図混乱地域内にある土地について、筆界特定の申請をすることができますか?

申請に係る対象土地同士が隣接関係にあるということが明らかでないため、原則として、申請することができません。実務上は、申請前に法務局又は地方法務局の筆界特定登記官に相談して下さい。

筆界特定の申請が却下された場合、申請人は不服審査請求をすることができますか?

筆界特定の申請の却下は、登記官の処分とみなされるので、法務局または地方法務局の長に対して、審査請求をすることができます。ちなみに、筆界特定自体は行政処分ではないため、不服審査の対象とはなりませんので、審査請求は認められません。

筆界特定の申請がされた旨を関係人に対して通知する場合、関係人の通知先が明らかでないときはどうするのですか?

公示送達類似の手続により、法務局または地方法務局の掲示板に掲示する方法により、通知することになります。この場合は、掲示を始めた日から二週間を経過したときに、当該通知が関係人に到達したものとみなされます。

筆界特定の申請後、手続の完了前に申請人が死亡した場合、この筆界特定手続はどうなるのですか?

筆界特定の手続中に申請人が死亡したり、合併により消滅したりしても、申請人の相続人その他の一般承継人が申請人の地位を承継したものとして、筆界特定の手続はそのまま進められます。なお、申請人の相続人等はいつでも取り下げることができます。

筆界特定の申請後、手続の完了前に申請人が売買等で、対象土地の所有権登記名義人でなくなった場合、この筆界特定手続はどうなるのですか?

筆界特定の手続中に特定承継により申請人が所有権登記名義人でなくなったときは、当該申請人は申請人適格を失うことになるので、申請は却下されます。

筆界調査員等が測量または実地調査を行うために他人地に立ち入る場合、その土地の占有者は正当な理由もなく、立ち入りを拒否することができますか?

土地の占有者は、正当な理由がない限り、筆界調査員等が測量又は実地調査を行うために他人地に立ち入ることを拒み、または妨げてはいけません。正当な理由がなく立ち入りを拒み、または妨げた場合には、30万円以下の罰金に処せられます。

筆界特定により筆界点が特定された場合は、筆界点に境界標を設置してもらえますか?

筆界特定がされた場合であっても、土地の所有権登記名義人等に境界標の設置義務が規定されていないので、筆界特定制度によって現地の筆界点に境界標が、当然に設置されるわけではありません。

次回は、筆界特定制度の具体的な利用方法について、お話したいと思います。

昭和38年生まれ。平成7年土地家屋調査士登録。測量を通してお客様に「安心」を提供することを目的に平成9年株式会社測量舎を設立。誠実・確実・迅速を合言葉に年間100現場以上の境界確定測量。平成18年土地家屋調査士法人測量舎を設立。ADR認定土地家屋調査士、測量士。

株式会社 測量舎

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