住まいと暮らしのケアデザイン

自由のある暮らし、将来の安心に備えた住まい

※ケアデザインプラザは「ケアデザイン」に名称を変更いたしました。

先々の不安を解消できるなら、少しぐらい窮屈でもよいと思う方や、自分のペースを大切にしたい方等、住まいの考え方は十人十色です。 自由な暮らしと将来の安心、相互のバランスを大事にした雄三さん(73歳)のエピソードをお伝えします。

住まいについて考えたきっかけ

自宅を売却して、「サービス付き高齢者向け住宅(以下、サ高住)」に住み替えた友人を訪ねた雄三さん。「これで寝たきりになっても安心」と話す部屋のトイレや浴室には、体調不良の際にボタンを押すと介護や看護スタッフが駆けつけてくれるため、安心感は高い。しかし、食事は時間も場所も決められていて、定期的な見回りへの応対等、安心だけれど少し窮屈に感じた雄三さんは、自分に合ったサ高住があるかを調べ始め、ケアデザインプラザに相談に来られました。

正しい知識を持つ

高齢期の生活の場は、対象者や目的に応じて13種類以上に分類されています。そのなかでサ高住は、バリアフリー構造で原則キッチンや浴室、トイレを備えた25㎡以上(要件を満たせば18㎡以上でも可)の部屋と、ケアの専門家(※1)による安否確認、生活相談を義務付けた高齢者に配慮した賃貸住宅です。入居時にかかる費用は、敷金として家賃2~3か月分(前払い方式(※2)の所もあり)を支払う所が多く、毎月の費用も平均10~20万円前後と、気軽に住めるようになっています。

雄三さんはサ高住の基礎知識を学んだことで、友人の暮らすサ高住が基準よりも充実したサービスを提供していることを知りました。義務付けられたサービスが少ないからこそ、運営事業者によって設備や提供されるサービス、費用等が大きく異なるサ高住を探す時は、下記のチェック項目を参考に内容を確認することが大切です。

※1 ケアの専門家
介護職員初任者研修課程修了者(旧ホームヘルパー2級)、介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、看護師など

※2 前払い方式
入居時に数年~数十年分の家賃等を支払い、月々の負担を軽減する方法のこと

もう少し自由に暮らすことを選択

雄三さんは、将来の介護に不安は残るけれど、これまでの暮らしのリズムを維持したいと考え、駅近の賃貸マンションを生活の場として選択されました。食事の提供も介護スタッフもいませんが、もしもに備えて民間の緊急通報サービスを契約しました。様々なサービスの提供がない分、好きな物を食べたり、自由な時間を過ごせる住まいだそうです。 これからも、身体の状態や希望の変化に合った住まい方を見つけられるように“勉強”を続けられるそうです。

もう少し自由に暮らすことを選択

雄三さんは、将来の介護に不安は残るけれど、これまでの暮らしのリズムを維持したいと考え、駅近の賃貸マンションを生活の場として選択されました。食事の提供も介護スタッフもいませんが、もしもに備えて民間の緊急通報サービスを契約しました。様々なサービスの提供がない分、好きな物を食べたり、自由な時間を過ごせる住まいだそうです。 これからも、身体の状態や希望の変化に合った住まい方を見つけられるように“勉強”を続けられるそうです。

サービス付き高齢者向け住宅のサービスのチェック項目

□食事や掃除、洗濯などの生活支援サービスの有無と費用

□要介護時、認知症になった時の事業者の対応や費用

□医療処置が必要になった時の対応や費用

□安否確認と生活相談の範囲及び対応者(資格の有無)、夜間の緊急対応の方法等

社会資源、周辺環境のチェック項目

□訪問介護、小規模多機能型居宅介護、居宅介護支援事業所等、介護保険サービスの充実度

□自治体等による福祉サービスの充実度、利用対象者

□医療機関の有無、立地や診療科

□銀行や郵便局、スーパーの有無、最寄の駅・バス停までの道のり(交通量や坂道、段差等)

※本記事は2018年1月号に掲載されたもので、その時点の法令等に則って書かれています。

 渡邉 幸子

介護支援専門員(ケアマネジャー)、社会福祉士、精神保健福祉士。地域包括支援センターの相談員として、一人暮らしや認知症の方の暮らし、介護、権利擁護などの相談に従事後、ケアデザインプラザで介護コンサルタントとして、シニアの暮らしにかかわる幅広い相談に対応している。

三井不動産株式会社 ケアデザイン室

渡邉 幸子

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