Pickup Archive

大切な資産を“増やして”次世代につなぐために……「目的」から見つける不動産投資の最適解【第2回】

情報誌レッツプラザ2024年Spring号より引用

前回は、不動産投資のメリットとデメリットについてご紹介しました。では、そうしたことを踏まえたうえで、資産形成に向けて投資を始めたいと考えたら、何から着手したらよいのでしょう。今回は、不動産投資を始める前にやるべきこととポイントについて見ていきましょう。

今後の市況を予測する際に押さえておきたい指標は?

図表2・3・4から現在の不動産マーケットの状況を概観してみると、新築マンションの価格上昇に伴い、中古マンションの相場も上昇し、賃料も高位に推移していることがわかるため、マーケットはおおむね活況と言えるでしょう。

では、今後はどうなるのでしょう。残念ながら将来のことは誰にもわかりませんが、現在の市況の背景を理解し、今後を予測する際に押さえるべき指標をいくつかご紹介します。

まずは「建設費の推移」です(図表5)。建設費は上昇を続けており、これが物件の売買価格や賃料の相場を押し上げる要因の1つとなっています。建設費上昇の最大の原因は建設業界の人手不足で、ほかには働き方改革の推進、建築資材の高騰、円安の影響などが挙げられます。

建設費が今後も右肩上がりで推移するかはわかりませんが、人手不足は一朝一夕には解決できないことから高止まり傾向が続くと考えられます。

次は、「世界の各都市と日本の不動産価格・賃料の比較」です(図表6)。国内では東京の物件価格や賃料は高額と受け止められていますが、図表を見ると世界との比較では割安であることがわかります。

また北京や上海など、価格水準よりも賃料水準が低い、いわゆる低利回りの市場に比べると、東京は高い利回りが期待できる市場であると読み取れます。すなわち、海外投資家にとって円安の追い風もある日本は魅力的な市場と言え、そうした需要も活況を下支えしている要因と考えられます。

最後に、図表では示しませんが、金利のチェックも重要です。現在の超低金利は借り入れコストの低減など不動産投資にとって大きなメリットがあり、それも活況を支える一因となっています。今後金利が上昇すれば、銀行の住宅ローン金利の上昇が起こり、不動産の売買価格や取引量に影響が出る可能性も考えられます。投資を行う際は金利の動向にも十分に注意を払いましょう。

◆     ◆     ◆

次回は、ご自身の目的に合った収益不動産について具体的に考えます。お楽しみに!


(第3回に続く)
 

「Pickup Archive」の記事一覧

SNSシェア

関連記事