《選択肢03》 将来を見据え、安心を手に入れたい……
シニア施設へ入居する
最近は、有料老人ホームなどシニア施設(本記事ではサービスや設備、入居条件等が法律により規定されている高齢者向け住まいと定義します)の入居を希望される方も増えています。背景には、シニア施設のイメージが「介護の場」から「暮らしの場・住まい」へ変化してきていることがあります。
近年は娯楽のためのアクティビティやサービス、手厚い医療や介護、ホテルライクな暮らし等を提供する施設が多く登場しています。シニア施設にマイナスのイメージを持たれている方も一度先入観を外してみると、もっとよい選択肢が見つかるかもしれません。では、シニア施設への入居を検討する際のポイントをご紹介します。
希望要件を整理して自分に合った施設選びを
シニア施設にもさまざまな種類があります。図表6に代表的な施設を掲載していますので、特徴を押さえましょう。
次に、自分に合った施設を選びましょう。その際、施設の要件と見比べられるよう、自身の考えを可視化するのがお勧めです。
図表7を活用してご自身の希望要件をチェックしてみましょう。
まず入居時の健康状態により選べる施設が異なるため、元気なうちに施設に入居するのか、介護が必要になってから入居するのかなど入居時期の検討および健康状態の確認をします。
居室タイプも検討しましょう。1人で暮らすのか誰かと暮らすのかを先に決めると間取りや広さ等の想像がしやすいです。居室タイプや居住方法は施設によって異なりますが、有料老人ホームやサ高住であれば夫婦や兄弟・姉妹と入居できる施設も多数あります。
地域については、自宅近くのほか、子どもが面会に来やすいよう、子どもの住まいの近くの施設にするのも選択肢です。ただし、地域性が合わない、方言に馴染めないなどの問題が生じることもあるので注意しましょう。
どんな暮らしを希望するかによっても適した施設が異なります。例えば、適度な見守りを受けながら自由に暮らしたいならサ高住や、一部自由度の高い暮らしができる有料老人ホーム等が選択肢にあがります。
予算も重要なため、あらかじめどれくらいかけられるか、明らかにしておきましょう。予算については次回詳しく解説します。
ご家族の意向も大切です。施設入居に賛成してくれるケースもありますが、「親孝行のために自ら介護がしたい」などの理由で反対される例もあるため、早めに話し合うことをお勧めします。
また、最期まで入居したい場合は、介護老人保健施設以外が対象となりますが、病状によっては退去が必要となる施設もあるので、事前に確認をしましょう。そして、自分の希望要件に合いそうな候補が見つかったら必ず見学をしましょう。
複数の施設を見学して比較検討するなど、施設選びは労力がかかります。また、100%満足な施設を探すのは極めて困難です。早めに準備を始めたうえで、優先順位を考え、7~8割の満足を目指す――。それが施設選びを成功させる秘訣です。
(第3回に続く)