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価格高騰下で不動産を購入する価値とは?事例も交えて専門家が解説

近年、投資用・収益用不動産の価格は都心部を中心に高値圏で推移しています。利回りは下降傾向にあるものの、取引は依然として活発です。過熱感がある市場環境において、お客様はどのように判断し新たな不動産の購入に踏み切っているのか。事例を紹介しながらお伝えいたします。

価格高騰下でも不動産を購入する価値とは?

ご存じの通り、都心部では高価格帯マンションの価格上昇が続いています。不動産価格が高いということは、投資用物件の利回りが低い、言い換えれば購入するメリットが少ないようにも思えます。

それでも多くの方が不動産を購入し、高い需要やマーケット水準を維持しているのはなぜか。それは、次のような不動産ならではの価値があるからです。

  1. 土地・建物という現物資産であるため、価値がゼロにはならない

  2. インフレ対策に有効と考えられる

  3. 賃料収入による安定的なキャッシュフローの確保が期待できる

  4. 所得税や相続税などの額が下がる可能性がある

では、不動産価格が上昇する中、お客様はどのような判断で新たな不動産購入を決断されているのか事例をご紹介します。

テナントの賃貸解約を機に今後の賃貸経営を考える

名古屋で建築関連の会社を営んでいたA様は、高齢により本業を整理し、不動産資産管理会社の代表として、名古屋中心部所在の一棟オフィスビル(8階建て)を保有し安定した賃料収入を得ていました。

しかしビルの築年数が経過するにつれ、修繕対応などの維持管理コストが増え、またテナントの入れ替えが発生したフロアにおける月額賃料坪単価が竣工当時は2万円ほどでしたが、1・2万円と60%程度まで低下し、収支を圧迫するようになってきました。

このような状況の中、8フロアのうち4フロアを長年借りていた大口テナントから賃貸解約の申し入れがあったことから、A様は今後の賃貸経営に悩まれ当社にご相談いただきました。

当該ビルは先代社長であるA様のお父様が建て、当初は一部フロアを自社ビルとしても利用していた思い入れのある建物ということでした。ただ、家庭を持っている長女と忙しく働いている次女にはビル経営をする時間も知識もなく、当該ビルの扱いに悩まれているとのことでした。

修繕・建替え・組換えの3つの選択肢を比較検証

当社はまずA様からお伺いした状況と当該ビルが有するポテンシャルを考慮し、❶修繕をして継続保有する、❷修繕費用は最小限とし近い将来建替える、❸資産の組換えを行う、
という3つの選択肢について、レッツと連携し比較検証を実施。その結果、次のことがわかりました。

❶については築40年になるため、空調設備の更新や屋上防水など最低限必要な修繕に加え、下落傾向にある賃料を上昇させるには一部バリューアップ工事も実施すべきであり、トータルで約2600万円かかります。工事費用は融資で賄えそうですが、築古ビルのままでお嬢様2人に承継することになるのが大きな課題です。

❷については、立地がよいため建替え後長く保有することが前提であれば十分メリットがありますが、昨今の建築費高騰の影響により、期待よりも利回りが低く、また数億円の借り入れが必要となります。

❸の有効性を知るには物件の価格を知る必要があるため、当社による価格査定からスタート。査定は次の2つの方法を実施し、より高評価が得られる再開発法を採用しました。

収益還元法:当該ビルから収受できる年間賃料(空く予定のフロアは想定賃料で計算)を、投資家が購入する際の期待利回りで割り戻し算出
再開発法:当該ビルを取り壊し、新たな建物を建築する想定で算出

想定よりも高い査定金額であることを知ったA様に、組換える場合の取得物件の希望条件をお伺いしたところ、A様がお仕事で頻繁に足を運ばれていた地域であり、また不動産価値が維持しやすいことから東京の不動産をとのことでした。そして、これらさまざまな資料をもとにお嬢様方と話し合った結果、「娘たちが管理・運用しやすく、できるだけ価値が維持されやすい資産へ組換え、承継する」という結論に至ったのです。

不動産を保有することの本質的な価値を見直す

組換えを行うにあたり、まずはできる限り高値での売却を目指し資金計画を固めたうえで、間髪入れず組換え先の物件を購入するという流れで進めました。
売却に関しては、立地のよさから算出していた査定額よりも高値で売ることができました。

一方、組換え先である東京都心では、築浅収益不動産の表面利回りは3~3・5%前後、タワーマンション(区分)になると2%台も珍しくありません。名古屋で不動産経営をされてきたA様にとっては低い利回りですが、賃料相場が徐々に上がっているエリアである港区と中央区に築浅タワーマンションを1戸ずつ(表面利回りはどちらも2%前半)への組換えをご決断されました。

◆   ◆   ◆

前述のように、不動産は多様な価値を有します。過熱感のある環境にあっても、そうした不動産の価値を認識し、資産形成に上手に活かしていくことが大切です。

三井不動産グループに、お客様の最適解を見つけるお手伝いをさせていただければと思います。

三井不動産リアルティ株式会社 ソリューション事業本部

春尾 典哉

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