実は土地も投資対象
ご所有地にアパートを新築する、あるいは建て替えるような場合に、建築コストだけに対する収益性を検討されることがありますが、投資の観点からすると、それは正しいと言えるのでしょうか? ご自身が購入されたのか、相続されたのかによらず、本来は土地を売却して得られるだけの資金を土地に投下している、と考えるべきだと思います。なぜなら、他の金融資産として運用できる選択肢があるのに、土地に資金を投下し続けるという選択をしたとも言えるからです。
リスクとリターン
投資するうえで、誰にとってもリターンが高いほうが良い投資のような気がしますが、実はそうではありません。まず初めに、自分はどれだけのリスクに耐えることができるのか、あるいはリスクをコントロールできるのか、についてしっかり把握することが重要です。
投資の観点においてリスクとは、投資により得られるリターン(収益)の「振れ幅の大きさ」を表します。一般論として、金融資産や不動産といった資金の運用形態にかかわらず、投下される資金は、常にリスクの程度に応じたリターンを稼得するものと期待されています。
例えば、保有資産の規模が大きい、あるいは借入割合を抑えられるような場合は、比較的リスクの大きい地方物件などの投資を検討することができ、結果的に高いリターンを得やすくなります。また、投資経験が豊富な方が、賃貸管理および建物管理を自主的におこなった場合にも、純収入が増えますので、リターンを高めることができます。
ある方にとってはリスクとして敬遠されるものが、リスク耐性がある方にとってはむしろ積極的にリスクを取ることでリターンを得る機会にもなるわけです。
また、ご自身を取り巻く環境も重要です。ご自身で賃貸管理をするための十分な時間が確保できる、あるいは身近に信頼できるビジネスパートナー(お子様、ご友人、不動産会社等)がいてサポートを得られる環境が整っていれば、リスクを取りやすくなり、その分多くのリターンを獲得できることになります。リスクをどの程度許容できるかが、投資戦略の方針に重大な影響を与えるため、現在の環境はもとより、将来における人生設計をも踏まえたうえで、リスク許容量を測る必要があります。