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サブリース契約時に注意すべき3つのポイント

サブリースとは、不動産会社が貸主から賃貸物件を一括で借り上げて運用し、貸主に一定の家賃を保証する仕組みのことです。貸主は煩わしい雑務から解放され、入居者の有無に拘わらず家賃が保証されるので、専門的な知識がなくても不動産経営に携わることができます。最近では資産の有効活用や相続税対策などを目的にサブリースを利用するケースも増えています。一方でサブリースにはいくつかの注意点もあります。ここでは契約時に気をつけるべき点を押さえておきましょう。

サブリース契約締結時の注意点

サブリースには主に3つの注意点があります。

ひとつ目は、サブリース契約に記載された修繕・メンテナンス計画です。賃貸物件の資産価値を維持するために修繕や定期的なメンテナンスは必須ですが、その内容があまりにも頻繁であったり、多額である場合は本当に必要な修繕なのか注意が必要です。

2つ目は、「空室保証」の内容です。特に、保証の前提となる賃料については、管理会社により設定水準や見直し方法等が異なっているので確認が必要です。

3つ目は、「入居審査基準」です。サブリース契約は「すべてお任せ」のため、オーナー様は借主(入居者)を選ぶことはできません。管理会社の中にはサブリースなのだからオーナー様に賃料を支払ってさえいれば、どんな人を入居させても問題ないと考え、「入居申込書」の内容をほとんど審査もせず契約するところもあります。そうした借主の一部が基本的なルールを守らずに周囲に迷惑をかけ、他の良質な入居者が退去してしまう恐れがあります。最悪、一人の望ましくない借主のために、退去者が続出してしまうこともあるのです。

サブリースだから空室になっても大丈夫というわけではありません。賃貸物件の資産価値を高めるには、収入だけではなく、より優良な借主に長く住んでいただくことも大切な要素になります。そして、より優良な入居者を集めることが管理会社の使命と考えています。

最近、自主管理物件や他社に管理代行委託中の物件のオーナー様から、サブリースへのお問い合わせが増えていますが、その背景では、以上のような注意点が顕在化しているケースも少なくありません。
小社はすでに稼働中の物件であっても、市場調査や建物管理状況等を確認の上でサブリースのご提案をいたしておりますので、お気軽にご相談ください。

※本記事は2016年1月号に掲載されたもので、2021年12月時点の法令等に則って改訂しています。

三井ホームエステート株式会社 営業推進部

小嶋 三恵

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