用語クローズアップ

不動産評価の基本のキ、「利回り」の考え方

不動産投資をする際に、優良な物件を少しでも高い利回りで購入することが重要なのは言うまでもないことです。でも、あなたが見ている「利回り」は、本当に費用の実態を反映したものでしょうか? 投資に対するリターンやリスクの指標である「利回り」の基本をおさらいします。

市況による利回りの変化

前述のような不動産の特性による利回りの「差」以外にも、市況が利回りに与える影響もあります。利回りが不動産価格から求める以上、不動産価格と利回りの関係は反比例します。市況が落ち込み、需給バランスが崩れると不動産価格が下がります。不動産価格が下がると利回りは上昇し、反対に不動産価格が上昇すると利回りは下降します。市況が与える影響は、賃料よりも不動産価格の方が大きいため、同じ不動産を購入したとしても、購入する時期によって利回りが変わることにも注意が必要でしょう。

不動産の市況は限定的な要因で上昇・下降するわけではありませんので、見極めるのは困難ですが、不動産市況が上昇トレンドにあるのか下降トレンドにあるのかについてはいろいろなところから情報を集めて、投資用不動産の購入(もしくは売却)するタイミングを見定めることが大切です。

※本記事は2015年5月号に掲載されたもので、2021年12月時点の法令等に則って改訂しています。

三井不動産リアルティ株式会社 コンサルティング営業部

齋藤 裕介

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