東京都 E様
不動産所得以外にも所得があり、毎年の所得税軽減がテーマでした。
建物所有型管理法人名義の建設は、所得税軽減だけでなく相続税の納税対策にもなりました。
E様からの相談事例
都内にお住まいのE様は、同居するお母様の名義で、ご自宅のほか、賃貸アパート3棟と駐車場があります。幸い、お母様名義の金融資産もかなりあり、相続税の支払いは、金融資産と駐車場の売却か物納で乗り切れる見込みです。悩みは、老朽化したアパートで、賃料水準を近隣の相場よりは相当低くても空室が埋まらない状況です。
この老朽アパートについては、数年前からLet'sに相談があり、とりわけ痛みの激しかった1棟については新規の募集を停止し、残った居住者も徐々に残りの2棟の空室に移転してもらい、この度、ようやく入居者の退去が完了しました。
そこで、いよいよ、この空室となった老朽アパートを取り壊し、新たな土地活用を行える状況になったのです。
当初、E様は、お母様名義で、全額借入金による賃貸マンションの建設を検討していました。計画地は、最寄駅から徒歩約7分ほどの利便性の高い立地で、住環境も良好で、都内でも比較的高い賃料水準が期待できました。このため、全額借入金での事業収支でも、十分な採算が確保できる見込がありました。ただ、お母様自身は、多額の借金をすることに不安もあり、今ひとつ消極的なご様子でした。また、お母様には不動産所得以外にも株式配当などの所得が相当あり、せっかくの土地活用で得たキャッシュフローが、毎年の所得税と、いずれ取られる相続税で消えてしまう点がE様には不満でした。
「所有型」管理人名義の建物建設
E様のこうしたご要望をLet'sで検討した結果、新築する賃貸マンションは、法人名義にする案が浮上しました。すなわち、E様とご兄弟3名が株主となる建物管理法人を新たに設定し、この法人が計画地を担保に銀行から融資を受け、法人名義で建物を建設する方法です。(建物を所有するタイプの管理法人を、従来の建物を管理するだけの管理法人と区別して、ここでは「所有型管理法人」と呼ぶことにします。)
この場合の土地と建物の関係は、そのままでは通常の借地関係となり、権利金の認定課税を受けることになります。これを防ぐために、実務的には、土地オーナーと借地人である法人が連名で税務署に対し、「無償返還の届け出書」を提出します。また、地代として、固定資産税額の3倍程度の金額を、所有型管理法人から土地オーナーに支払います。
こうした方法を取ることにより、毎月の賃料収入は、建物所有者である所有型管理法人が受け取り、E様とご兄弟が役員報酬等として利益を分配することにより、一族全体として所得税の軽減を図れました。「このことは、相続税を支払う世代にキャッシュフローを移転することにもなるので、相続税納税対策としても有効です。また、相続税対策の面でも、借入金の責務控除こそありませんが、土地の評価額は、「無償返還の届け出書」を出した状態でも更地評価の80%で評価され、お母様名義で賃家を建てた場合の賃家建付地の評価とほぼ同等になり、節税効果が期待できます。」(Let's)
金融機関によっては、個人と法人とで取り扱いが異なり、法人での借入は返済年数が短くなる場合もありますので注意が必要ですが、幸い、E様の場合には、お母様の金融資産の一部を取り崩し、この資金を所有型管理法人に低利で融資することで、法人の資金繰りを、大幅に楽にすることができました。
「賃貸事業が上手くいって収益はあがっているのに、所得税額がハネ上がり手元にお金が残らない」、「税金を払いすぎていないか」、「固定資産税の負担が重い」、「自宅や農地を維持する費用がかかりすぎる」などのお悩みはLet'sにご相談ください。