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「おひとりさま」にもきっと見つかる、納得・満足の解決法! “想い”をつなぐ不動産承継術【第1回】

情報誌レッツプラザ2023年Spring号より引用

大切な不動産だからこそ、売却することなく、自分の“想い”とともに不動産のまま次世代に引き継ぎたいとお考えの不動産オーナーも多いことでしょう。一方、配偶者に先立たれて子どもがいない方、あるいは未婚の方など、いわゆる「おひとりさま」の不動産オーナーの中には、「甥や姪に不動産経営の負担をかけたくない」などの理由から不動産の承継は難しいと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。そうしたおひとりさまの不動産オーナーが、ご自身の“想い”をつなぐ不動産承継を実現するための方法についてご紹介します。

終活でやっておきたい「10の手続き」とは?

最後に、終活でやっておきたい「10の手続き」をまとめました。自身の“想い”に沿って人生をまっとうするために、これまでご紹介したことやリストを参考にし、早めに検討を始めていただきたいと思います。

❶預貯金や投資商品
所有資産を明らかにし、通帳やキャッシュカード、資産の一覧表、印鑑の保管場所などを信頼できる人に伝えておきます。不要な口座の解約(特に相続手続きが煩雑な海外金融機関の口座)や不動産の整理などは早めに進めておくことをお勧めします。

❷保険
入院や手術、通院、高度障害など、生存中に受け取ることができる保障を含めて保障内容を把握し、病気になった際は迅速に保険金請求ができるよう準備しておきましょう。任意後見契約を結んでおけば、後見人が保険金請求をすることも可能です。

❸重要書類
マイナンバーカードや健康保険証、パスポート、印鑑登録カード、年金手帳等の公的書類や、不動産の図面や契約書などの重要書類は、信頼できる人に保管場所を伝えましょう。運転免許証など携帯するものはコピーをとっておくことをお勧めします。

❹デジタル資産
インターネット銀行やネット証券などの資産は、通帳がなく自身の死後に気づかれにくいため、口座の存在やID、パスワードを安全な形で記録しておくことが重要です。スマートフォンやパソコン、インターネットなどのIDやパスワードも同様です。

❺ペット
親族やペット仲間に打診する、里親を探すなど、万が一に備えてペットの引き取り手を決めておきます。飼育にかかる費用についても、親族に託す、遺言に記載するなど、引き取り手に渡せるよう準備しましょう。また、老犬・老猫を預かって看取る施設もあります。

❻不用品の整理
不用品は体力があるうちに処分しておきましょう。体力のない方は不用品回収会社を活用する方法もあります。骨とう品や宝飾品など、形見分けしたいものは生前に渡しておくのもよいでしょう(生前贈与には、贈与税がかかるので注意してください)。

❼医療情報や治療方針
かかりつけ医、健康診断の結果、病歴、手術歴、アレルギー、服薬している薬などの情報をまとめておきます。終末期に受けたい医療や理想の過ごし方などについても身近な人に伝え、必要な場合は公正証書などに残すことも検討しましょう。

❽連絡先
自身が病気になった際や死亡した際に、すぐに連絡して欲しい人、後日書中で知らせればよい人などを整理し、住所・電話番号などの連絡先とともにリストにしておきましょう。知らせないでほしい人がいれば、その旨も書き留めておきます。

❾お葬式・お墓
自分がどのような形で送られたいかについて、菩提寺や宗派の情報とともにメモをつくっておきます。遺影用の写真も決めておくと安心です。永代供養墓や樹木葬など、お墓についての検討も重要です。また、これらにかかる費用も用意しておきましょう。

❿遺言
誰に、何を残したいかを考え、遺言書を作成します。遺言には一般に自筆証書遺言と公正証書遺言がありますが、確実性を持たせるために公正証書遺言を用いることをお勧めします。作成後も内容を変更することができるので、早めに準備しましょう。

◆     ◆     ◆

次回は、いよいよおひとりさまの不動産オーナーがご自身の“想い”をつなぐ不動産承継を実現するための方法についてご紹介します。お楽しみに!


(第2回に続く)

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