相続対策を優先目的とする場合
次に、相続対策を目的とした場合ですが、ご存知のように、相続税の増税により課税対象となる方が大幅に増えました。時間をかけて相続対策の準備をすることが可能であれば、相続時精算課税制度などを利用して次世代へ投資用不動産を贈与するという方法を選択することで高い効果を期待できます。投資用不動産を贈与することで、不動産が生み出す収益すべてをお子様やお孫様が受け取り、親世代の承継財産から移転させることができます。
また、時間をかけて相続対策をおこなうことが難しい場合には、タワーマンションなどに代表される、不動産の取得価格と比べて相続税評価額が低い不動産を購入するという方法があります。賃貸用不動産であれば、さらに貸家建付地の評価減というダブルの節税効果が期待できます。この場合、あくまでも主目的は相続税評価額の引き下げですので、賃貸事業という観点だけでなく、節税効果と流動性の高い物件を選択することが重要です。投資利回りが低くとも、その相続税の節税効果も含めて考えれば十分なメリットがあります。
目的に応じた優先順位を
不動産投資への目的は千差万別です。皆様それぞれが理想とする不動産投資を実現するためには、目的に応じた物件選定の優先順位を明確にし、かならず満たさなければいけない条件を絞り込むことをお勧めします。特に流動性の高い不動産を購入する場合には、即断即決ができる体制を整えておかないと、せっかく気に入った不動産を買い逃してしまうことも考えられます。優先順位・条件の絞り込みについては、私どもにお気軽にお問い合わせください。蓄積したノウハウをもとに、皆様の満足のいく不動産投資のお手伝いをさせていただきます。
※本記事は2017年1月号に掲載されたもので、その時点の法令等に則って書かれています。
三井不動産リアルティ株式会社 コンサルティング営業本部
齋藤 裕介