基礎知識

愛着ある土地を次世代へつなぐ選択肢「等価交換」とは?

情報誌レッツプラザ2026年Spring号より引用

建築費の大幅な高騰により建替えのハードルが高くなる中、賃貸経営を維持・発展させるための戦略として改修・リノベーションがあります。しかしここではもう1つの有効な戦略として「等価交換」の仕組みや特長、事業の流れなどをご紹介します。賃貸経営を維持・発展させる選択肢の1つとしてご参考にしてください。

オーナー様にご好評をいただく等価交換事業

私は新築マンション分譲事業を行う三井不動産レジデンシャルで、主に用地取得に携わっています。具体的には、土地の情報収集、事業性の検討、土地オーナー様との交渉・調整を経て、契約・取得手続きに至る一連の業務を担当しています。

さまざまな案件に携わる中で特に多くの土地オーナー様からご好評をいただいているのが「等価交換事業」です。等価交換とは、契約によりオーナー様の土地の所有権を当社にいったん移し、その土地に当社がマンションを建設、完成後に従前の土地評価額に相当する住戸の所有権をお戻しする仕組みです(図表1)。

 

 

例えば、土地評価額が10億円の土地を売却される場合、10億円分を住戸でお戻しすることとなりますが、5億円分を住戸で、残り5億円分を現金でお戻しするなど、一部を現金で精算することも可能です。

住戸と現金の割合をオーナー様ご自身で選択できるため、相続を見据えた資金準備や資産の組換え手段として活用される方も多くいらっしゃいます。もちろん、取得住戸の活用方法は、自用も賃借も売却もオーナー様で自由にご判断いただけます。等価交換の流れを図表2にまとめましたので、ご参考にしてください。

愛着のある土地の価値を再構成して次世代へつなぐ

等価交換の特長は、自己資金や借入れに頼らずに、新築分譲マンションの住戸および土地の一部を保有し続けられる(完全所有権ではなく、区分所有権での保有)点です。

しかも、マンション建設に伴う工事管理や近隣対応などは当社が責任を持ちますので、建設面におけるオーナー様のリスクは最小限に抑えられます。

「老朽化した賃貸マンションを持ち続けることに不安はあるものの、建替え資金の準備が難しい。しかし、愛着のある土地は手放したくない」というオーナー様は少なくありません。

「売却して資金化」か「融資を受けて建替え」の2択にとどまることなく等価交換事業を選択することで、愛着のある土地の価値を再構成し次世代へ承継することができます。また、オーナー様のご要望があれば、取得される住戸にご希望の間取りやデザインを取り入れたり、既存物件の建具を新築物件に活用したりすることも可能です。

さまざまなアイデアで想いを形として残すレッツの等価交換

レッツと当社による等価交換事業を行う場合、大切な土地の価値をどのように次世代へ承継するか、が最大のテーマになることがあります。等価交換をご相談いただくオーナー様の中には「思い出の多い自宅や実家の〝記憶〟をどうにか残したい」とお考えの方が少なからずいらっしゃいます。

このようなときにレッツと当社が提案するのは、敷地内の樹木や庭石、建物の梁や柱など、オーナー様にとってのご自宅やご実家の象徴であるものを新築物件に取り入れ、想いを形として残すアイデアです。

その方法は、長椅子や机、オブジェなどをつくって共用部のインテリアにしたり、館銘板や各住戸の表札などとして建物の一部にしたりとさまざまです。こうしたアイデアはオーナー様に大変ご好評をいただいており、実際に「有効活用策だけでなく想いまで汲み取った提案もしてもらい、形として残すことができてとても嬉しい」といった感想もいただいています。

土地は単なる資産ではなく、記憶や歴史、未来への可能性を宿す大切な存在です。その価値を見つめ直し、将来を見据えた適切な活用・運用につなげていただけるよう、レッツとともにお客様一人ひとりの状況や想いに丁寧に向き合いながら、「相談してよかった」と心から感じていただける仕事を積み重ねてまいります。

 

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三井不動産レジデンシャル株式会社 都市開発事業企画部

大和田樹※所属は2026年1月時点

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