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手つかずだった父親の相続対策に不安を覚えるA様手つかずだった父親の相続対策に不安を覚えるA様

レッツプラザ2019年6月号

A様(53歳)のお父様(84歳)は、都内S区のご自宅とそこに隣接する月極駐車場のほか、ご自宅から少し離れた場所に借地権付きの土地、そこに隣接する月極駐車場を所有されています。3人兄弟の長男であるA様は、お父様がご高齢にもかかわらず、相続対策が全く手つかずだったことに焦りと不安を覚え、三井不動産リアルティにご相談を寄せられました。

A様のご要望は、代々引き継がれてきたご自宅を含む不動産を守り続けること、そして、二次相続まで考慮した相続対策を始めることでした。また、稼働率の低下で収益性が悪化していた2つの月極駐車場の対策に加え、 借地権付き土地についても借地権者の意向が把握できていない状況に不安を感じられていました。

そこでまず当社では、A様がご所有するすべての不動産を対象に、流通性・収益性・相続税評価額の圧縮効果等を分析できる独自の「資産ドック」を作成。各不動産の状況を確認することからスタートしました。

各不動産の現状と課題

①一戸建のご自宅(築35年)

駅から距離があるものの、住宅地として人気エリアに立地する流通性の高い不動産です。引き続きお母様が居住される場合は小規模宅地等の特例が適用できます。

②ご自宅に隣接する月極駐車場(10台分)

ご自宅同様、流通性が高く、ご自宅敷地と一体利用による時価評価額の向上が期待できますが、相続税評価額の圧縮効果は低い不動産です。

③都内の月極駐車場(6台分)

駅から距離があるものの、住宅地として人気エリアに立地しています。戸建用地として流通性は高いものの、相続税評価額の圧縮効果は低い不動産です。

④ ③に隣接する借地権付き土地

借地権を買い取り、隣接する月極駐車場と一体利用できれば時価評価額の向上が見込める不動産ですが、底地は売却が困難で流通性評価が低く、相続税評価額と時価評価額の逆転現象が起こり、相続税評価額の圧縮効果はマイナスに働く不動産です。

三井不動産リアルティからのご提案

今回「資産ドック」によって把握した各不動産の現状と課題をもとに、表1の通りご提案しました。

まず、「①ご自宅」と「②ご自宅に隣接する月極駐車場」は、一体利用による利用価値・資産価値の向上が見込めることから守るべき資産と位置づけ、将来的な活用を検討いただくようお勧めしました。また、相続税圧縮効果の低い「③都内の月極駐車場」と、時価評価額と流通性が低く、相続税評価上はマイナスに働く「④借地権付き土地」については早期の売却をご提案しました。ただし、これら二つの土地の一体利用によって利用価値・資産価値向上が見込めることから、「④借地権付き土地」の借地権の買取り交渉を強くお勧めしました。さらに、分割・納税対策も視野に、現預金による都心のタワーマンション複数戸の購入もお勧めしました。

「資産ドック」をもとに、A様は現預金の一部をタワーマンションではなく、ご自宅近くの低層マンションを候補とする不動産の購入に充て、相続税評価額圧縮を進める方針を固められました。また、「借地権付き土地」の借地権の買取り交渉を、お父様同席のもと借地権者の方と進められる予定です。
「分割対策の必要性を親族全員で確認できてよかった」と言うA様は、今後の区分所有マンション購入についてもご家族と協議中で、当社も引き続き確かなサポートとアドバイスに努めてまいります。


※本記事は2019年6月号に掲載されたもので、その時点の法令等に則って書かれています。

岡本 良保
三井不動産リアルティ株式会社
ソリューション事業本部
コンサルティング営業一部
曽我部 陽平

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