不動産投資expertへの道

出口戦略を考える

キャピタルゲインを得るために

ここまでキャピタルロスを最小限にするための注意点をご紹介しましたが、現物不動産の投資には、場合によっては大きなキャピタルゲイン(譲渡益)を得ることができるという魅力もあります。ご所有している不動産が周辺と一体開発されることになり、容積率や形態制限の緩和によって大幅に評価が上がるといったケースや、所有している区分マンションが、老朽化に伴い周辺の不動産と一緒に建て替えられ、自己負担なく同規模の住戸が取得できるケースなど、不動産の開発利益を享受できる場合です。特に、社会的な問題としてクローズアップされている老朽化した区分所有マンションの建替え問題は、関係行政官庁も平成15年に区分所有法の改正およびマンション建替え円滑化法を制定し、より円滑にマンションの建替えができるよう法整備や様々な施策を実施しているところですので、将来的には魅力的なマーケットとなり得るかもしれません。

しかしながら、このようなマンションの建替えや再開発に伴うキャピタルゲインは、現物不動産による投資だからこその醍醐味ともいえますが、不動産マーケットの動きや不動産業界の動向、不動産開発に関わる法規など、専門的な知識と不動産を見極める視点が必要であり、たとえそれを有していたとしても、予測できないリスクへの対応力が必要となります。

どのような形態であれ、投資活動には必ずリスクが付いてきますが、私どもレッツでは、皆様の不動産投資による「オーナーシップ」がより良いものとなるようお手伝いさせていただきます。ぜひお気軽にお問い合わせください。

※本記事は2016年10月号に掲載されたもので、その時点の法令等に則って書かれています。

このように、投資期間が長期化するほど、経年劣化と市場競争力の低下による事業性の低下が顕在化していきます。この場合には新築時以上の価値向上をはかるバリューアップや資産の組み換えなどの対応策が求められますので、取得価格や利回りに加え、事前の事業収支シミュレーションによる投資計画が成功する不動産投資の重要なポイントとなります。

三井不動産リアルティ株式会社 コンサルティング営業本部

齋藤 裕介

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