Point 1 建物の問題
建物は築年数が経過するにしたがって、外壁や設備など不具合が生じる可能性が高まります。特に3回目の大規模修繕では、多くの修繕項目が発生します。これらの修繕を適切に行わないと、劣化に伴う外壁の落下による通行人への怪我や、漏水による居住者への補償など重大な問題を引き起こし、所有者責任を問われる可能性があります。
Point 2 資産価値の問題
建物の老朽化に伴い、設備や間取り等が陳腐化し競争力が低下します。一方、新築マンションに求められる性能は年々向上するため、その性能差は開く一方となり、結果として空室の増加や賃料の低下を引き起こします。さらには、改修項目が年々増加するに伴い、大規模修繕等の支出が増えることで、賃貸事業の収益は悪化していきます。
Point 3 法的な問題
都市計画の変更や建築基準法の改正が過去に幾度も行われているため、その中で、建設時にはその当時の法規に適合していても、現行法規に適合していない、「既存不適格」物件が存在します。例えば、容積率の変更や、日影規制の適用などにより、建て替えてしまうと現状の建物規模が維持できないものもあります。