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今後のオフィスビル経営に悩むA様今後のオフィスビル経営に悩むA様

レッツプラザ2019年1月号

自宅以外に、2棟のオフィスビル、一棟マンション、区分所有店舗、時間貸駐車場など複数の不動産をご所有になるA様。中でも、オフィスビル2棟の稼働率と賃料が低下してきたことや、築30年を超えて、修繕費用も増えてきたことから、当社にプロのアドバイスをもらいたいとのご相談をいただきました。

A様は、相続で受け継いだ大切な不動産なので、できるだけ保有し続けたいとお考えではあるものの、周辺では老朽化したオフィスビルがマンションへ建て替えられているケースもあり、ビル経営に不安を感じておられました。

各不動産の現状と課題

A様がご所有するすべての不動産を対象に、流通性・収益性・相続税評価額の圧縮効果等を分析できる、三井不動案リアルティ独自の「資産ドック」を作成し、各不動産の状況を確認しました。

① 築45年の都内のオフィスビル

最寄駅から徒歩12分の立地でオフィスとしてのニーズが低下しています。また、築年数も築45年と古く今後競争力を維持していくためには、修繕等で多額な投資が必要になると予想されました。

② 築39年の都心のオフィスビル

最寄駅から徒歩5分の好立地であるため、稼働率も高く、安定した収益が確保されていました。しかし、建物は築39年と古く、今後多額な修繕費用が必要になると予想されました。

③ 区分店舗

駅前商店街の一画に位置する路面店舗で、長期契約によるテナントが入居し、安定的な収益を確保していました。

④ 一棟マンション

最寄駅徒歩5分の立地、かつ築9年と新しいため、満室稼働で安定した収益が得られていました。

⑤ 都内駅前の時間貸駐車場

流通性と時価評価額が高いため、相続税評価額の圧縮効果が高い不動産と位置づけられます。

三井不動産リアルティからのご提案

今回「資産ドック」によって把握した各不動産の現状と課題をもとに、次の通り(表1参照)ご提案いたしました。 築45年の都内オフィスビルについては、竣工当時に比べ、オフィスとしてのニーズが縮小している立地であることや、改修して競争力を向上させたとしても、その投資効果が見込めないことから、継続保有をご希望するなら、オフィスビルから賃貸マンションへ用途変更することをご提案いたしました。その場合、工事コストが事業性に大きく影響を及ぼすことから、実施時期については慎重に検討いただくことをご理解いただきました。一方で、近い将来もう一棟のオフィスビルの修繕が見込まれることが想定されますので、築45年の都内オフィスビルを売却し、その売却金を修繕費用に充当する解決策も併せてご提案いたしました。

A様は、「資産ドック」で各不動産の状況を確認したうえで、築39年のオフィスビルは継続保有する方針とされましたが、築45年のオフィスビルの方針については依然お悩みでした。そこで私どもは、今後各不動産で想定される建物修繕計画と想定コストを新たにご提示いたしました。その結果A様は、築45年のオフィスビルを売却し、その売却金で他不動産の修繕費用に充てることをご決断されました。今後も、対策が後手に回らないように、定期的に「資産ドック」を受診していきたいとのお言葉をいただきました。


※本記事は2019年1月号に掲載されたもので、その時点の法令等に則って書かれています。

岡本 良保
三井不動産リアルティ株式会社
ソリューション事業本部 コンサルティング営業一部
大西 良三

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