成功事例01 税務上のメリットをとるか、市場が活況なうちに売却するか
会社を経営しているK様は事業用として使っていた土地・建物を2年前に売却し、リースバックを利用して当該建物の上階に居住していました。しかし、5年後には退去することが決まっていたため、一昨年、区分マンションを3戸購入し、1戸にはご自身が住み、残りの2戸は賃貸していました。ところが今年、そのうちの1戸が空室となったタイミングで当該物件の市場価格が購入時よりも上がっていたため、再度賃貸すべきか、それとも売却すべきかを検討することにしました。
検討にあたって問題となったのが譲渡所得税です。あと3年ほど所有し続ければ所有期間5年以上の「長期譲渡」となって譲渡税率が売却益の約2割となりますが、現時点で売却すると「短期譲渡」となるため約4割の譲渡所得税が課されてしまうのです。しかし、K様は税務上のデメリットも考慮したうえで、不動産マーケットが活況なうちに売却することをご選択。弊社で仲介した結果、3億円での売却を実現しました。
キャピタルゲインのみを追求しないことが、よい結果を導いた
K様が当該マンションを購入した価格は諸費用含め2億3,000万円だったため、売却益は7,000万円。譲渡税額が「短期譲渡」の場合は2,800万円なので、4,200万円の手残りとなりました。ちなみに、3年後同額で売却できた場合、「長期譲渡」と「短期譲渡」の譲渡税額の差額である1,400万円分手残りが増えます。しかし、3年後もマーケットが活況である保証はなく、また複数戸保有しているため売却時期のリスク分散を図る目的もあり、早期売却を選んだのです。
K様は、税引後4,200万円のキャピタルゲインを得ることができました。しかし、それはキャピタルゲインのみを目的に不動産を購入したわけではないこと、また利益を追求しすぎず、ほどよい売り出し期間や金額で売却を決断されたことが結果に結びついたと言えるでしょう。
成功事例02 相続対策などを考慮し、金融商品と不動産に分散投資
自動車関係の会社を経営しているT様は、事業の一部を譲渡してまとまった資金ができたため、それを元手に投資を行い資産を増やしたいとお考えでした。
当初は外貨や利回りの高い株式を中心に購入していましたが、リスク分散および相続対策のために不動産への投資も検討。資金の半分を金融商品に投資し、もう半分は不動産投資にあてることにしました。
安定収入と資産価値を重視した物件選びで、賃貸経営も順調
T様は不動産投資が初めてだったため、土地勘があるご自宅付近を中心に、1棟マンションの物件探しからスタートしました。その結果、表面利回りは4%と決して高くはないものの、安定的な収益が見込め、資産価値も維持できそうな新築の一棟マンションを購入。現在は賃貸経営も軌道に乗り、安定した賃料収入を得ています。また、2人のお子様への分割対策も見据え、金融機関からの融資を活用し同程度のマンションをもう1棟購入することも検討中です。
資産の半分を金融商品に、もう半分を不動産に投資するというT様のご判断は、リスク分散という観点から有効な選択と言えます。また不動産投資は相続税評価額の圧縮につながり、金融商品への投資は将来の納税資金確保に役立つため、非常にバランスのよい投資方法と言えるのではないでしょうか。
成功事例03 子どもに安定的な収益を確保できる事業を承継したいけれど…
家業である建設会社の社長を務めるO様は、最近相続対策や事業承継について検討を始めました。O様には一人息子がいますが、IT企業で活躍している息子に家業を承継させるのは難しいと考えています。その一方で、息子には金融資産や自宅の他に、安定的な収益を確保できる事業を併せて承継したいという思いもありました。
最初は息子に株を譲渡し、信頼できる社員をやとわれ社長にすることも考えましたが、将来2人が方針の違いでもめる可能性を考えるとなかなか踏み切れませんでした。そこで税理士から提案を受けたのが、会社の新たな事業として不動産賃貸業を立ち上げ、そちらを別会社として分社することでした。将来的には本業の建設会社は信頼する社員に譲り、一人息子には不動産賃貸会社を承継することで、相続対策と事業承継の両方を実現することを目指したのです。
不動産賃貸事業を活用し、相続対策と事業承継の両方を実現
IT企業に勤めるお子様が本業に集中できるように、O様は維持管理の手間が比較的少ない区分マンションを中心に比較・検討。都心の一等地の区分マンション3戸を購入し、会社の事業としてそれぞれ賃貸運用を開始しました。
事業承継は、中小企業にとって非常に重要な問題です。大事な本業を残すためお子様以外に引き継ぐ場合でも、不動産賃貸業を承継することができたなら、お子様に安定的な収益をプレゼントできるのではないでしょうか。
皆様も目的に合わせた不動産投資を行うことにより、ぜひご自身の希望を叶えていただきたいと思います。