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収益性の低い資産の組み換えでお悩みのA様収益性の低い資産の組み換えでお悩みのA様

レッツプラザ2019年10月号

都内S区にお住まいのA様(77歳)は、ご自宅近隣に賃貸アパートと月極駐車場、そして駅から徒歩4分の立地に一棟マンションを所有されています。アパートは築23年が経過し、建物の老朽化に伴って収益性が大幅に低下。一方、月極駐車場には住宅メーカーなどから有効活用策の提案が寄せられており、有効活用と組み換えという選択肢の判断でお悩みでした。

A様にはご長女(48歳)とご長男(43歳)がいますが、嫁がれているご長女や転勤の多いご長男との今後の同居の可能性は低く、A様は将来、施設での生活をご希望でした。賃貸資産の収益が低下しているなかで、施設入居費用や相続税の納税資金を確保できるか、また将来、相続税評価額や収益性に差のある所有資産の分割協議で2人のお子様がもめないかといった心配もあったというA様。そこで、所有不動産の組み換えなども含めたこれからの対策の判断材料を整理するために「資産ドック」を作成することからご提案をいたしました。

各不動産の現状と課題

①ご自宅近隣のアパート(築23年)

建物の老朽化に伴い、修繕費と空室率が上昇する一方で賃料水準は低下しており、収入額は減少傾向です。駅から離れているため、より駅周辺に賃貸アパートやマンションなど競合物件が増えたことでさらなる収益性悪化が懸念されます。また、相続税圧縮効果が低水準という問題もありました。

②一戸建てのご自宅(築30年)

特に大きな問題はありませんが、A様ご自身は将来、施設での生活をご希望でした。

③ご自宅近隣の月極駐車場(15台分)

流動性は問題ありませんが、収益性・相続税圧縮効果ともに低い水準となっており、有効活用や資産の組み換えなど、土地本来のポテンシャルをより活かせるような改善策が求められます。

④駅前の一棟マンション(築7年/12戸)

駅近・築浅で賃料単価も高く、A様のご所有不動産のなかでも特に優良な賃貸資産です。流通性や収益性に優れ、相続税圧縮効果も高く、特に大きな問題点はありません。

三井不動産リアルティからのご提案

流通性・収益性・相続税評価額の圧縮効果などが分析可能な「資産ドック」によって把握した課題をもとに、表1のとおりご提案しました。まず、収益性に問題のある「①ご自宅近隣のアパート」と相続税圧縮効果の低い「③ご自宅に隣接する月極駐車場」を売却し、「④駅前の一棟マンション」と同等程度の評価額・収入が見込める一棟マンションへの組み換えをご提案。また、「②ご自宅」については相続発生に備え、今からご家族で話し合いの機会を持つことや、売却や分割を想定し、その準備として境界の確定などの測量を早めに済ませておくことをお勧めしました。

なお、「④駅前の一棟マンション」と新たに購入いただく予定の一棟マンションは同等程度の価値で収益性も高く、相続発生時の2人のお子様への遺産分割に関するトラブルも回避できそうです。

「資産ドック」の結果をもとに、A様と2人のお子様は今後に関する話し合いの機会を持たれました。その結果、当社からのご提案どおり、「①ご自宅近隣のアパート」「③ご自宅に隣接する月極駐車場」を売却、一棟マンションへ資産の組み換えを実施されています。

なお、お子様たちにご利用の意思のない「②ご自宅」については、将来の売却・分割を見据えて、当社から測量をおこなう土地家屋調査士をご紹介するなど、引き続きA様の資産経営をしっかりとサポートしてまいります。


※本記事は2019年10月号に掲載されたもので、その時点の法令等に則って書かれています。

岡本 良保
三井不動産リアルティ株式会社
ソリューション事業本部
コンサルティング営業一部
曽我部 陽平

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