基礎知識

土地購入や建築の際に、知っておくべき「建ぺい率」とは?

土地購入や建築の際に、知っておくべき「建ぺい率」とは?

都市計画法によって区分される「用途地域」には、建築物の用途制限に加えて、その建て方にもルールが定められています。中でも身近で必ず知っておかなくてはならない「建ぺい率(建蔽率)」と「容積率」。ここでは「建ぺい率」について概要を説明します。

 都市の健全な発展を目的に「都市計画法」が定められています。この法律に基づいて各都道府県が「都市計画」を立案、運用しますが、その中で都市計画区域とされる地域を景観保護や防火対策などの目的に応じて21地域に分割します。その21地域の中の1つに「用途地域」があり、さらにこの用途地域には「住居系」「商業系」「工業系」合わせて13の地域があります。国土とはこのように細かく分類され、建築物の規制や管理を行っています。

 さて、その「用途地域」ではそれぞれ、ある用途の建物が建築可能かどうか、その建ぺい率、容積率、高さ制限などについて細かく決められており、実はここで決められている基準を守らない建築物は、「違法建築」として扱われるという、とても重要な規定です。

その中の一つである建ぺい率とは、「敷地面積に対する建築面積の割合」のことを意味します。

ここで建築面積とは、「建物の水平投影面積」のことをいいます。つまり、建物の真上から光を当てて、地面にできる影の面積のことです。ただし、軒、庇(ひさし)、バルコニーなどについては、建物の外壁から1m以内であれば、建築面積に含めません。

建物の通風・採光や防災上の観点から、都市計画では用途地域ごとに建ぺい率の限度が定められています。したがって、建物を建てるときには、定められた建ぺい率の限度を超えないように計画しなければなりません。

なお、敷地が角地の場合や、防火地域内の耐火建築物の場合には、建ぺい率の限度を10%増やすことができます。さらに両方を満たす場合には20%増やせます。

それでは、例として、建ぺい率の限度が50%の地域にある敷地面積100m2の土地に建てられる建築面積を計算してみましょう。

建築可能な建築面積は、「敷地面積×建ぺい率」で計算できます。

したがって、この土地に建てられる建築面積は、最大で、100m2×50%=50m2となります。

ただし、同じ面積の土地でも、角地であれば、100m2×60%=60m2まで建てられることになります。

その土地が属する用途地域や、建ぺい率・容積率は、市役所などの都市計画課で確認できますし、Webで公開されている場合もあります。その地域の性格を知る参考にもなりますので、一度確認してみてはいかがでしょう。

【参考】
●都市計画における「用途地域」とは?
https://lets.mitsuifudosan.co.jp/column/chishiki/chishiki14

●建築物の「容積率」とは?
https://lets.mitsuifudosan.co.jp/column/chishiki/chishiki10

※本記事は2009年1月に掲載されたものですが、2022年7月時点の法令等を確認し、変更があった場合は反映した内容を掲載しています。

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